重要なお知らせ

 

お知らせ・イベント紹介

 

ごあいさつ

 

日本体育・スポーツ・健康学会会長
菊 幸一(筑波大学)

 

~学会の社会的存在意義を求めて~

 2021年4月から本学会は、従前からめざされていた学理や学術的成果を追求する純粋な学術団体の性格を維持・発展させていくと共に、これらの研究成果の統合を図ることによって「体育・スポーツ・健康に関わる諸活動を通じた個人の幸福と公平かつ公正な共生社会の実現に寄与する」(定款第3条、目的)ことをめざし、日本体育学会から日本体育・スポーツ・健康学会への名称変更を行いました。
 この名称変更に伴う具体的な学会の大きな変化の1つは、3日間の学会大会のうち2日間を占めて行われる5つの応用領域部門、すなわち「スポーツ文化」「学校保健体育」「競技スポーツ」「生涯スポーツ」「健康福祉」に分かれて、あらかじめ設定された社会課題につながるテーマに従ったシンポジウムと一般発表が展開されるところにみられます。この変化は、これまで専門領域別に分かれて個々の独立学会の延長線上で自由にテーマを設定してきた会員の皆さんには大きな戸惑いを禁じ得ない事態であろうと推察しています。しかし、それぞれの研究テーマがどのような社会課題と「つながり」、これを解決していく文脈に位置づけられるのかをより客観的に見つめ直すと同時に、他専門領域との「つながり」からより幅広い視点で研究課題を発展させ、深化させていくきっかけになるとも考えています。もちろん、学会としてはこのような試みを不断にバージョンアップさせて、より適正な応用部会のコンセプトや体制の在り方を検討していく所存です。
 新型コロナ禍で社会の在り様が大きく変化し、ポスト・コロナの時代を見据えた本学会の在り方や社会的存在意義が鋭く問われている時代状況をひしひしと感じています。いわゆる日本学術会議の在り方に関連した問題は、その政治的党派性の問題とは別に、学術全般の存在意義自体を社会から根本的に問われる契機となっているようにも思われます。学術的な営みの政治的中立性を維持・発揮させていくための政治性とは何かが、各学会に問われているのです。
 学会の在り方が大きく変化する節目の第一歩にあたり、会員すべての皆さんからの忌憚のないご意見と共にご協力を切にお願いする次第です。

学会紹介

 一般社団法人の前身である日本体育学会は、1950年2月11日に60人の会員で発足しました。 同年11月、東京大学において第1回の学会大会が開催されました。この時、会員は345名、51題の研究発表がされました。1998年の第49回大会では、13の研究分野において514演題の研究発表・12のシンポジウム・ 11のキーノートレクチャーが行われ、日本体育学会特別企画「体育学の分化と統合」が3年目を迎え、特別シンポジウムが実施されました。第50回記念大会は、 日本体育学会が体育学に関連する他の団体と連合して行う初めての大会として、 1999年10月7ー11日の会期で開催されました。任意学術団体の日本体育学会は、2002年4月に設立総会を開催し、同年6月に社団法人として認可を受けましたが、2008年の公益法人制度改革に伴い、社団法人日本体育学会は、一般社団法人日本体育学会へと移行しました。さらに、2021年4月1日付で、日本体育・スポーツ・健康学会へと学会名称変更し、通称「日本体育学会」とし、新たに歩み出すことになりました。2021年4月時点で、正会員数は5518名、国内の体育学研究領域における最大の学術研究団体です。

 日本体育・スポーツ・健康学会の目的は、体育・スポーツに関する科学的研究や関心を高めること、 学際的な交流を促進すること、体育・スポーツ科学を発展させること、 研究で得られた知見を実践の場に応用することです。 さらには、それをもって我が国の学術の発展に寄与することを目的としています。 なお、この目的達成に向けて次の事業を実施しています。

  • 学会大会の開催
  • 研究発表、講演会等の開催
  • 学会誌その他の刊行物の発行
  • 調査研究、研究の奨励及び研究業績の表彰
  • 会員相互及び内外の関連学会・関連組織との連携協力
  • 体育・スポーツ・健康などの政策に関する提言ならびに建議
  • 体育学/スポーツ・健康科学の普及啓発活動
  • その他目的を達成するために必要な事業