日本体育・スポーツ経営学会 第 47 回大会 開催のお知らせ
1.会 期
2024(令和6)年3月16日(土)〜17日(日)
*プレプログラムとして若手研究者ワークショップを 3月 15日(金)15時〜17 時に開催
2.会場・開催形式
久留米大学 御井学舎 御井本館(福岡県久留米市御井町)
対面開催(基調講演ならびに理事会企画シンポについてはオンラインでの公開開催とする)
3.大会テーマと主たる内容
大会テーマ:文化としてのスポーツの発展に寄与する体育・スポーツ経営学
文化としてスポーツを捉え、人々の権利として保障しようとするスポーツ推進体制は、果たしてそれを実現してきただろうか。あるいは、文化の質を高めたといえるのだろうか。折しも、人々のこれまでとこれからの生活様式を大きく変化させた新型コロナウィルス感染症拡大に際して、スポーツに関わる諸活動はいち早く「自粛」や「制限」「延期」の対象とされた。この時以来、スポーツという文化が人々の生活にとって「不要・不急」なのか否かという根本的・ 本質的な問いが突き付けられているように思う。「アフターコロナ」が日常化しつつある中、 忘却の彼方に押しやられてしまいそうなこの「問い」 を、一体どれほどの人々が意識しているだろうか。
このことは、学術的な視点から「豊かなスポーツライフの実現」を標榜してきた体育・スポーツ経営学の知見が、その実現にどれほど寄与してきたのか、そもそも「豊かなスポーツライフ」をいかに考究の対象にしてきたかを厳しく問うものでもある。「豊かさ」の実現を目指して、人々と運動・スポーツの関わりを産出する各種事業がいち早く、しかもトップダウンで停止された事実は、その「豊かさ」が人々にとって不可欠ではないか、それが実現されてこなかったか、あるいは「文化としてのスポーツの豊かさ」が未だ、市民的公共性にひらかれた議論の対象に成り得ていない現状を示唆している。さらに我が国のスポーツ振興に目を向けてみると、依然としてスポーツ実施率やメダル獲得数をはじめとした量的な指標以外に(あるいはそれ以前に)、文化の豊かさや価値を捉える「レンズ」や「ものさし」「枠組み」を持ち合わせていないことに気づかされる。同時に、「豊かさ」の内実を十分に示すことに貢献できていないことを反省的に振り返りながら、文化としてのスポーツの発展に寄与するための理論的・実践的課題を学術的に議論することが、大きな課題として立ち現れる。「文化が豊かである」とか「文化の質が高い」、「文化を創造する」、「文化が発展する」とは、一体どのような現象として捉えることができるのかが改めて問われなければならない。
そこで第 47 回大会では、基調講演ならびに理事会企画シンポジウムにおいて、文化の価値を捉え、その価値を評価し、実現することがどのように捉えられるのかを、他領域の専門家(文化経済学、文化政策学、体育授業論、歴史社会学) を交えて学際的に議論する機会を得たい。現代社会は感染症拡大のみならず、紛争・貧困・格差・分断等の問題を抱えながら、グローバリゼーションによって流動し続けている。その中で生じる、文化の階層化・文化的多様性に関わる課題を共有しつつ、文化の価値・権利をどのように捉え、いかに振興するかを考えながら、今後の体育・スポーツ経営の理念(実現すべき価値)と目的(進むべき方向性)を具体化する方途を探る。
4. お問い合わせ先
久留米大学人間健康学部スポーツ医科学科 行實鉄平
E-mail: keiei47th◎gmail.com(◎を@に変換してご利用ください)