日本体育学会(以下、本学会)は、1950年の設立以降、今日に至るまで我が国の体育・スポーツ・健康に関わる最大かつ総合的な学術団体として社会に認知されてきました。そして今春より「一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会」へと学会名称変更し、通称を「日本体育学会」とし、新たに歩み出すことになりました。
70年の歴史をもつ本学会は、学際的・複合的な学問領域に対する社会的要請および会員の研究理念や研究志向、研究対象や研究テーマ等の変化を考慮し、より適切な学会の姿を適宜検討してきました。
今回の学会名変更の背景には、会員による研究の目的・方法・対象などの多様化に伴い「体育」という名辞だけでは会員の研究全体をカバーしきれなくなった事情や、社会の趨勢として行政機関や大学などで「体育からスポーツ」への名称変更の潮流が生み出されたことがあります。さらには社会のための学術へのシフトやグローバル化の推進という要請がみられました。
これらに迅速に対応していくには、学会の使命やアイデンティティの象徴となる学会名称再考の必要性が高まりました。そこで、学会内の政策検討・諮問委員会に審議を依頼するとともに広く会員のご意見をお伺いし、その提案を基に、2017年からの理事会と総会における計15回の議論を経て、「一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会」へと名称変更することが2019年定時社員総会で承認されました。
この度このように、学会の名称変更を行いましたが、本学会が体育・スポーツ・健康に関わる我が国の旗艦学会であるということに変わりはありません。
一般に、長いタイトルは省略されて通称として愛される場合が多々みられます。例えば、東京箱根間往復大学駅伝競走は「箱根駅伝」の通称で親しまれています。本学会も正式名称の変更後も、「日本体育学会」の通称の元、先人の学会運営の思いを継続、発展させ、社会に幅広く貢献し続けてほしいと念じています。
令和3年4月1日 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
会長:深代千之